東北関東大震災関連情報の投稿コーナー開設

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2012年12月22日開催「復興まちづくりの課題」シンポジウムの概要

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2013-1-9 18:27 | 最終変更
mokmr  幹事 居住地: 宮城県  投稿数: 29
東北大学の奥村です.
都市計画 の次号(301号 2月発行予定)用の紹介原稿を作成しましたので,その内容を以下に示しておきます.
記録の作成については,東北大学姥浦研究室大学院生伊藤敦君に大変お世話になりました.(より細かな記録がほしい場合は,姥浦先生・伊藤君にご相談ください)

「復興のこれからを支える”まちづくり”のあり方 を考える」公開シンポジウム
2012年12月22日(土)1400-1730 東北大学電気通信研究所2号館講義室(参加者82名)

1.シンポジウムの目的:姥浦道生(東北大学)
東日本大震災から1年9ヶ月が経過し、防潮堤、土地利用等のハード整備の大枠はほぼ決まり、今後は地区の実情に合わせてハード整備事業を進めるとともにソフト面も含めた総合的なまちづくりを進めることが課題である。きたかみ震災復興ステーション、日本都市計画家協会と共催した本シンポジウムでは、先進的な取り組みに関する 3つの報告を受け、現状の課題を整理したのち、約80人の参加者とともに、住民の暮らし・生活の再建を実現する今後のまちづくりのあり方を議論したい。

2.被災地に求められる地区レベルの“まちづくり”:北原啓司(弘前大学)
震災で、その重要性の再認識ができないまま、フローもストックも消失した。我々は開発に都合のいいように「共生」を定義し、シュリンキングまでは考えてこなかった。開発インパクトの蓄積で病気が進行し、地域の「いのち」の継続さえ危うくなっている。  
これまでの復興計画は残念ながら、復興パターンの2者択一的な選択を迫るような、手段が先行し目的を見失った「逆立ちの計画」になっている。空間を生きた「場所」とするには、人々の前向きな思いと活動が不可欠である。応急仮設住宅は「仮」の空間ではあるかもしれないがそこでの生活は「実」であり、「私の場所」という認識をもって住民が前向きに活動することが、恒久住宅建設後のまちづくりの練習になる。仮設住宅の住民は庇護されるべき人々である、いずれは出ていく仮住まいの人々であるといった先入観は払拭して、制度や法律の見直しをする必要がある。
基盤整備プロセスから、生活像提案プロセスへと変化していく中で、専門家には自律的な復興を目指した活動をどう支援していくかというイネブラーとしての活動が問われる。また、今後の災害に役立てるためにも、アーカイブの整理、分析が必要である。

3.宮城県における地区まちづくりの現状と課題-東松島市・山元町を事例として-:鈴木孝男(宮城大学)
健全な話し合いによる納得のいくまちづくりを進めるため住民力を養う必要がある。しかし移転先を抽選で決めるために住民がシャッフルされ、話し合いの場を確保することさえも困難になっている。町外に避難し、家を建てた人たちは戻ってこない可能性が大きい。元のまちづくり協議会を母体として復興協議会ができ、年度末までに土地利用計画案の合意形成を目指しているが、地元の総意を示す合意形成の形として、話し合いの頻度、構成員、何を話し合うのか、などが未だに固まっていない。女性、若者、こどもの参加が進みにくいという問題もある。

4.岩手県における地区まちづくりの現状と課題-宮古市田老地区を事例として-:紙田和代(ランドブレイン)
宮古市では2011年度、全10地区まちづくり検討会(4回)、田老地区復興まちづくり検討会(7回)が開催され、市はそこでまとめられた市長提言を受けて、年度末に地区復興まちづくり計画および宮古市震災復興計画推進計画を策定した。ただし田老では、検討会メンバーの決め方や代表性について疑問が出されていた。
 住民の中には住宅移転先以外の復興政策についても検討したいという意向があったが、市側は、住民参加段階は終わり市主導で事業推進する段階に入ったとして組織化には否定的であった。そこで、住民独自に検討組織を立ち上げる動きとして、2012年4月9日から4回の設立準備会を経て、有志により5月26日に田老地区の復興まちづくり協議会が結成された。組織は、トップダウンで統一的に活動を行う「リンゴ型」ではなく、実質的活動を行う部会を相互に連絡する「ぶどうの房型」である。
合併協議会の後身の市の諮問機関である「地域協議会」をはさむことで市とのつながりを確保しているものの、市の計画、事業との関係が曖昧。意識のバラつきが大きく部会間の整合性がない。ボランティア支援が中途半端になっているなどの問題がある。

5.ディスカッション
 抽選による住民のシャッフル、行政の管轄の違いもあり、まちづくり協議会が災害公営住宅の計画に関与できない。まちの環境形成の価値が理解されず、住宅が割高と感じられるのが心配。
 被災程度の異なる空間にいる住民をつなぐ横串的な組織がない。行政内部の横串もできていないが、小さな自治体では課題を共有する仕組みが出てきているところもある。
 首長の発言はぶれてはいけない。住民の代表と行政の代表という2面性があり、思い切った発言が難しい。専門家の活動が住民参加につながっているかをチェックするという役割もある。
 平時の計画に連続して緊急時の復興計画があるべきで、短期間で決めることには無理がある。協議会のような平時の組織の活用が実際的だが、町外避難者の参加の保障が課題である。

6.閉会挨拶:相羽康郎支部長(東北芸工大学)
遠方からも多数参加いただいた。東北支部ではこのような個人企画勉強会の支援を強化したい。テーマ別に小グループで議論し、それを全体に返す進め方も有効だろう。復興におけるWSの有効性はまだまだ大きい。専門家はもっと現地に押しかけるべき。

文責:東北大学奥村誠(東北大院生伊藤敦の記録参照)

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東北大学 奥村 誠(災害科学国際研究所・工学研究科土木工学専攻)
mokmr@m.tohoku.ac.jp

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